フォレスタ Vol.5 [芸術家] 中西 三郎さん(後編)
今回、中西 三郎(なかにし さぶろう)さんの「輝き」についてお話をお聞きしました。サブロウさんは御年85才(T15.8.17)であられ、カクシャクとして笑顔をたたえてお話をされる印象は、太陽のようで、経て来られたであろう苦労など、微塵も感じさせない常に前向きなお話をうかがいました。サブロウさんは鉄工所、不動産業を営みながら釣り、絵、旅、書道、民謡、俳句など様々な文芸を嗜まれ培ってこられました。
ご自宅に訪問させて頂き、応接室にてサブロウさんと紹介人である友人の石田氏と面談しました。そこには数々の大切にしておられる作品に関するエピソードなどを交えた、ご自身のいわば『人生岐路』と銘打った取材を行いました。
前回(Vol.4)、自分史の取材が終わり談笑の後「あれを見せてやろうか」とサブロウ氏。我々が案内された先には・・・。
気楽亭・・・!?
なんと、そこは倉庫一面に無数の作品が展示されている芸術館でした!
これは・・・。言葉を失う光景です。
趣味で作ったものを飾っていったらこうなっただけだよ。大した物はないよ(笑)
この空気、臨場感が堪りません
作品の大きさというかダイナミックさに驚かされます。
色紙サイズの作品が一番多いだろうけど、基本的に立体でダイナミックなのが好きなんだよ。
前回の自叙伝「人生岐路」でもそうでしが、作品一つ一つがサブロウ氏の軌跡となっており、何気に描いているように見える絵にも想い出が詰まっている。
作品一つ一つの歴史を語られる中には著名人を含む、大勢の友人の名前が出てきました。
前回のサブロウ氏の言葉、「一升枡(いっしょうます)は一升枡や。人の器は決まっている。その小さな器を周りが支えてくれることによって器以上の事ができるんや。だから支えてくれる仲間こそが人生の宝、自分に真似できない仲間の存在が宝。人間ムキになったらあかん、お互いを認め合い価値を分かち合うことで自分が引き上げられるんや。」
そして「自分の手柄ではなく、友人の手柄」と作品を指さしながらサブロウ氏は言う。
この作品群は友と生きる楽しさを具現化した結果なのかもしれない。
「人生は大したことない、ただの紙や」、そう楽しげに語られるサブロウ氏でした。(2013.4.20)