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西原俊秋「箕島の七〇年 昔を語る」

西原俊秋さんは、大正二年、和歌山市に生まれ、四才の時、両親と共に、箕島に移り住みました。昭和三年、箕島小学校高等科を卒業するまでの十一年間を箕島に暮らしました。その間、父を亡くし、卒業の年に母も亡くなりました。当時は、中学校に進学する生徒は、僅かで、少年達は丁稚奉公(でっちぼうこう)に出ました。丁稚時代の苦労の様子は「としやんの奉公ものがたり」に時代背景と共に懐かしき風景を抒情的(じょじょうてき)なタッチで描いておられます。丁稚奉公の苦難を乗り越えて、二十四の時、独立して衣料製造業を始めました。持ち前の才覚を発揮し、事業を発展させ、昭和五十年、後継者に全てを委ねて得意な絵を描くことに専念し、二冊の画集、朝日新聞のコラム等の業績を挙げられました。平成九年八十四才にて逝去されました。画題は少年時代を過ごした箕島での生活に根ざしたものでした。大正モダンのタッチで大正から昭和初期の箕島の町並みや行商人など、当時の風俗を生き生きと描いています。箕島ではこの間、大正十三年に鉄道が開通したり大きな変化がありました。荷台や汽船の時代から鉄道で移動する時代となり鉄道工事の様子など興味深い物もたくさん有ります。しかもそれを見守る観衆や子供の目線でみている等、単なる風物のみではない所が独特の雰囲気を醸し出しています。懐かしさ郷愁あふれる西原画伯の世界をご覧下さい。西原俊秋画伯を顕彰する会